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#182 1曲を考えるその2「BUMP OF CHICKEN:ギルド」

 せっかくのシリーズ化を宣言した以上、第二回をやらないわけにもいかないというわけで、今回も「1曲を考える」をテーマにしたいと思う。
今回の曲はBUMP OF CHICKEN(以下BUMP)のギルドだ。2004年8月25日に発売されたBUMP4枚目のアルバム「ユグドラシル」の3曲目に収録されている楽曲だ。
この楽曲のテーマは「仕事」だろう。発売当時音楽に非常に疎かった私にとって、ユグドラシルにも収録されているオンリーロンリーグローリーのシングルがBUMPとの出会いだったのだが、このバンドはただものではないと思わせてくれたのは、このギルドだった。
しかし当時中学生だった私にとって「仕事」というものに対して深い実感を持っていなかった。そして社会人4年目を迎えようという年になった今、改めてこの楽曲を振り返りたいと思ったのだ。

歌詞の冒頭でこの曲の主題が語られており、「生きること」と「仕事をする」ことを重ね合わせている。平凡に過ぎ去る日常を生きる人間の疲れ、孤独の叫びのような歌詞が並ぶ。
曲名の「ギルド」自体中世ヨーロッパの労働組合を意味する言葉だ。鉄を叩く音が曲中に盛り込まれていることや、後の人形劇ギルドでも取り上げられたように、炭鉱夫のイメージがあるのだろう。ただ目を覚まし石炭を掘りそしてまた眠ることを繰り返す、「朝と夜をなぞるだけのまともな日常」と表現されているこの繰り返しは、決して曲中だけのことではなく、聞いている自分自身にも突き刺さるものがある。
曲中では生きることと働くことが重ねられているため、生きることについての報酬もなければ目的もない、誰に認めてもらうわけでも助けてもらうわけでもない、漠然と生きることへの不安と失うことへの不安が同居している内容だと言える。

この曲はまさに今のタイミングで聞くことができてよかったと思う。社会人3年目という、一つ社会に疲れ出すこのタイミングに、この曲は寄り添ってくれる。決して励ますわけでもなく、なだめるわけでもなく、あーわかるわかると頷いてくれるそんな曲だ。

初めて聞いてから12年もの月日が流れた、変わらないと思っていた自分の変わってしまった姿を映すのは、鏡だけではないと教えて貰ったような気がする。

今一度ユグドラシルを聴き直したくなった。
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テーマ : 邦楽
ジャンル : 音楽

#179 1曲を考えるその1「東京事変:スーパースター」


 音楽についてあれこれ専門的なことを言えるような経験を持ってないということで、音楽に関する記事を上げる事を避けていたのだが、今回一つ思い立って「1曲を考える」というテーマの元、新しい試みをしてみたいと思う。
 私の好きな曲にスポットを当て、なぜ好きで、何が良いと思っているかというところを深く掘り下げたいと思う。
 今回は東京事変の「スーパースター」をピックアップ、なぜかと言えばこの曲を聴いていて今回のこの試みを思いついたからに他ならない。

JASRACとのせめぎ合いになるため、比較的歌詞の引用は抑え気味にお送りできれば幸いである。

この曲は2006年発売の東京事変2枚目のアルバム「大人(アダルト)」の4曲目に収録されている曲だ。シングル発売されていないアルバムの中のカップリング曲ではあるが、同じく10曲目に収録されている「透明人間」と並び、東京事変の楽曲の中で私が好きな2トップの曲だ。

最初聞いたときは、「ほんとに曲名合ってる?」というのが感想だ。華々しいイメージを持つタイトルと比べ、曲調は明るいものではなかったからだ。
たとえばロックバンドが同じ曲名で歌を書くなら「自分はスターだ」と歌うだろうし、ロキノンやオルダナティブロックが歌を書くなら「こんなスターがいた」とか「スターになりたい人」を歌うだろうが、この曲に至っては「スターと私」を歌っていて新鮮だった。
自分の弱さとスターの強さの隔たりに卑屈になる姿、歌詞の「もしも逢えたとして喜べないよ」が的確に言い表しているが、あまりに自分との差を感じる表現を行っている。
歌詞が進むとスターの姿を見て己も奮い立つ姿と、1番の喜べないからの対比として「誇れるように」という言葉で締めている。何かと戦い続けるスーパースターの姿に力を貰った人の歌なのだ。

この曲中にでてくるスーパースターのモデルは実はイチローだ、この歌が前述した「自分はスター」であったり「スターになりたい人」という歌にならないのは、モデルがスポーツ選手だったからに他ならない。舞台は違えどストイックな生き方と結果を残し続ける姿勢にあこがれた椎名林檎本人の気持ちのだろうか。イチロー本人もタイトルを見たときと聞いた後では曲への印象はまったく変わったと語ったが、ちょっと変わったイチローの考えるスター像を見抜いていたのはさすがと言わざるを得ない。


椎名林檎の書く曲は叙情的なものも多い、こうやって一度歌詞を広げて考えてみるのも面白いかもしれない。

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

#116 戦闘曲業界NO.1「伊藤賢治」

今回は作曲家伊藤賢治氏を紹介したいと思う。氏と言えばスクウェア開発のゲーム「サガ」シリーズで多くの楽曲を制作したことで有名。しかしそれ以外の部分があまり語られていなさすぎるのではないかとふと思った。そこで今回は伊藤賢治氏を取り上げようというわけである。無論NHKFMのゲーム音楽三昧を聞いてしまったがために書かずにいられなかったというのは言うまでもない。

 では氏の来歴に少し触れよう、4歳からピアノを始め、10歳の頃には作曲を始めていた。当時影響を受けたのはイージーリスニングの大家ポール・モーリアやリチャード・クレイダーマン。ここにゲームのBGMに近い歌詞のないイージーリスニングに触れているところから、ゲーム音楽に近しいものを感じていたのではないかと考える。そしてゲーム音楽を意識したのは1988年発売のドラゴンクエストⅢ、ここですぎやまこういちの楽曲との出会いが大きかったと本人は語る。
 そして1990年、スクウェアに入社。当時主要タイトルのファイナルファンタジーはⅢが発売する直前、まさにこれから大きくなっていく過程の途中だった。氏が入社する以前のスクウェアは作曲担当植松伸夫氏たった一人だった。売上好調なFFシリーズと合わせて、発売直後だったゲームボーイにも作品を出すということで新人を採用することになったのではないかと推察する。
 氏のデビュー作品は91年発売の「ファイナルファンタジー外伝 聖剣伝説」。この当時からすでにフィールド曲やライジングサンという曲で高い評価を得ていた氏だが、次作の「サ・ガ2 秘宝伝説」で転機を迎える。シリーズ一作目の「魔界塔士サ・ガ」では植松伸夫作曲だったが、メインコンポーザーをバトンタッチ。今後サガシリーズの作曲をメインに勤めることになる。
もちろん本作品でも伊藤氏の評価は高い、通常戦闘曲「必殺の一撃」やボス戦闘曲「死闘の果てに」植松氏作曲のラスボス曲「save the earth」など、サガシリーズ=戦闘曲がかっこいいという方程式はこの頃には出来上がっていた。そして同91年には初のSFCタイトル「ロマンシング・サガ」でメインコンポーザーを務める。ここから「ロマンシング・サガ2」、「ロマンシング・サガ3」、「サガフロンティア」などの楽曲を担当。そして2001年にはスクウェアを退社、フリーのコンポーザーとなる。その後ネットゲームなどRPG色の濃いゲームなどに多く楽曲を提供している。

 来歴をさらりとお伝えさせていただいたが、スクウェアにいたためもちろん代表作は軒並みRPGである。途中にもあったが、「伊藤賢治=戦闘曲」というイメージが出来上がるほどに氏の手がけたゲームの戦闘曲は盛り上がるものが多い。

とくに評価が高いものを上げさせていただくとするならば・・・
・サガ2秘宝伝説・・・必殺の一撃、死闘の果てに
・ロマンシング・サガ・・・バトル#1、バトル#2、決戦!サルーイン
・ロマンシング・サガ2・・・七英雄バトル、ラストバトル
・ロマンシング・サガ3・・・バトル#1、四魔貴族バトル1、四魔貴族バトル2、ラストバトル
・サガフロンティア・・・バトル#1、バトル#4、バトル#5、ラストバトル~アセルス~、ラストバトル~T260G~

やっぱり聞いてもらわないとということで、数曲YOUTUBEへのリンクを
死闘の果てに
https://www.youtube.com/watch?v=LyLKAOzwtYM
四魔貴族バトル1
https://www.youtube.com/watch?v=Xn8KGnCxiAQ
サガフロンティア バトル#4
https://www.youtube.com/watch?v=tomG4Z_CNyg


 もし聞いていただいたのであればなおのことびっくりするのだが、氏は戦闘曲を作るのが苦手だそうで、苦手だからこそ一生懸命作るとのこと。本当はバラード系の曲を作るのが好きだと公言している。

サガシリーズを遊んでいる人にももちろんなじみの人だが、もちろん私が知ってほしいのはそれ以外の人たちだ。もちろんゲームありきのゲーム音楽、RPG好きな方にはまずサガシリーズを遊んで、氏の世界に入り込んでいただきたい次第だ。

テーマ : ゲーム音楽
ジャンル : ゲーム

#86 PCE時代の名アレンジャー「米光亮」

 作詞家、作曲家、歌手、音楽を作るには様々な人間がかかわっている。そんな中でももうひとつ大切な役割が編曲家という存在だ、作曲が仕上げた楽曲にアレンジを加えるのがこの編曲という作業、もちろんゲーム音楽の世界でも欠かせない存在だ。
今回の紹介する人は米光亮氏、ゲーム業界の中でも珍しい編曲家だ。無論ただ編曲を行っているだけでなく、作曲も行っている音楽家である。

氏についてはニコニコ大百科に詳しい
1981年、6人組バンド「TAX '81」のギタリストとしてメジャーデビュー。昭和当時流行していた音楽ジャンル、タンゴ・ブギウギ・テクノ・ムード歌謡・ハードロック・ニューウェーブ等を歌謡曲風に仕上げる、企画色の強いバンドであった。
80年代後半から本格的に音楽家として活動。アイドル音楽のアレンジを手がける一方、アニメ・ゲーム音楽にも進出。現在でも特にファルコム作品の大胆なアレンジは根強いファンが多い。
ファルコム作品と関わることになる最初のきっかけは『MUSIC FROM Ys』で一部楽曲の編曲を担当したことであった。これがPCエンジンCD-ROM2版『イースI・II』の陣頭指揮をとった岩崎啓眞氏の目に止まり、同作のアレンジャーとして迎えられることになる。その楽曲の素晴らしさも手伝い、同作は大ヒット作となった。
続編の『イースIII』でも編曲を担当し、前作以上に派手なアレンジで賞賛を得た。

もともとJポップも手掛けており、光GENJIや小泉今日子、広瀬香美などの楽曲も手掛けていたが日本ファルコムやナムコ製のゲームの編曲などを手掛けると、ゲーム音楽の編曲家としての評価を一気にあげた。

氏のアレンジの特徴を上げれば、非常に派手だが原曲の雰囲気は壊さないというところだろうか、特に評価の集まるイースシリーズを例に挙げると、PCE版イースⅠ・Ⅱ、イースⅢ、イースⅣの編曲を担当しているが、イースシリーズはもともとPCゲーム、原曲はPC88版に合わせて作られたPSG音源やFM音源のものだった。これらの楽曲をPCエンジン版に移植する際、CD音源を使用することができるPCエンジンでは原曲のままではさみしすぎるため、それに合わせた編曲を行った。元々評価の高かったイースの音楽を壊すことなく、しかし大胆なアレンジはより評価を高める結果になった。
 私自身、彼のアレンジの大ファンである。なぜこの原曲からこのアレンジを掛けられるのかという想像を超えたアレンジや、洞窟やダンジョンの曲ならばよりおどろどろしく、さらには独特な効果音まで盛り込んで雰囲気を付ける。さらには楽器の原音を使えるPCエンジンならではの楽器の起用等、まさにゲーム音楽のアレンジをさせれば右に出るものはいないのではないだろうか。氏の手掛けたイースⅣの楽曲は私の中で最も思い入れの深いものになっている。

PCエンジンファンにとって彼の楽曲は非常になじみ深いものだろう、しかしPCエンジン自体がマイナーなゲーム機だったこともあり、なかなか触れる機会がなかった人が多いのも事実。
時代も変わり今やPCエンジンのゲームもPS3 などで遊ぶことができる時代になった。ぜひこの機会に一度氏の楽曲に触れていただきたいものである。

テーマ : ゲーム音楽
ジャンル : ゲーム

#29 繊細さに裏打ちされた旋律「浜渦正志」

今回取り上げるはゲーム音楽作曲家の浜渦正志氏だ。曲単位であれこれ評価しづらいので、この際バンドしかり作曲者単位で触れていきたいと思う。

浜渦氏は1996年~2010年まで株式会社スクウェア・エニックスで数多くのタイトルを手掛けた方であるが、植松伸夫や伊藤賢治や光田康典、下村陽子と実力派が勢ぞろいしていた当時のスクウェアの作曲家陣の中でもひときわ異彩を放った曲作りをしている人だった。しかし異彩というのもゲーム音楽という業界の中での話である。音楽家の両親のもとにドイツで生を受け、音楽の勉強を続けていた氏の生み出す音楽というのは非常にやさしく繊細なもので、当時SFCに使われていた音源ではその世界を表現することはできなかった。SFCの音源では電子音の域を出ず、正統派の弦楽器などの音は表現できなかったのである。しかしながらゲーム音楽の進展はこの時に進んだため、ゲーム音楽の在り方というものは戦闘中に流れる音楽は激しく、フィールド音楽は物悲しいものか勇敢なものの二択がSFC時代のRPGにおける鉄板になりつつあった。

その名を知らしめた「サガフロンティア2」
しかしそのSFCの時代が終焉を迎えた1999年に氏の本領を発揮する舞台が用意された。そのゲームは「サガフロンティア2」、プレイステーション用ソフトとして音源も自由に使えるように整えられた舞台で浜渦サウンドに触れることができるようになったのだ。このソフトはスクウェアの主要タイトル「サガシリーズ」の中でも異彩を放っているゲームであった。従来のフリーシナリオシステムではなく中世のヨーロッパの貴族や差別などを、不思議な因果などを絡めながらも進められていくシナリオの中で、従来「サガシリーズ」の作曲をほとんど引き受けていた伊藤賢治氏ではなく、浜渦氏が起用されたことは当時のファンにとっては雷に打たれたような衝撃があったのだ。
今なおこの作品の評価は非常に分かれるところではある。私自身は大好きな作品なのだが、やはりサガ的ポリシーの中では異端と言わざるを得ない作品だったからだ。なぜこれをサガで?と考える人も少なくないそうだが、このゲームは間違いなくサガであり、シナリオやゲームデザインを手がけた河津秋敏氏のシナリオライターとしての才能をさらに感じさせるものであったのは間違いない。そしてこのゲームにおいては3つの旋律を軸にし、それぞれの旋律にアレンジを加えることでゲーム中のあらゆる場面を表現するという、いまだかつてない試みに挑戦した浜渦サウンドとの相性は抜群といわざるを得ない。同じ旋律なのにここまで表現が変わるものなのだろうかと驚かせてくれるのだ。
このゲームで流れる楽曲はすべてドイツ語で名前が付けられている。Roman、Rosenkranz、Themaの3曲は主要曲であり、戦闘曲を除くすべての曲がこの三曲のアレンジになっている。水彩画のような鮮やかな世界観のなかで奏でられるこれらの曲は非常に透き通って聞こえるのである。
戦闘曲も実のところひとつの楽曲FeldschilactⅠのアレンジであり、Ⅳまでのバージョンがある。しかし例外がひとつ、最終ボス戦の曲であるMidgestaltではただのアレンジではなく、演出とのかみ合わせやテンポの調節と非常に気分を高めるような曲構成に変身しているのだ。まさに楽章とでもいうべきか、浜渦氏が生み出した楽曲は当時のゲームファンに衝撃を与えたことは言うまでもない。

ゲーム音楽家として異色の伸び
 浜渦正志はゲーム作曲家としては異例のステージを変えるごとにその可能性を見せてきた作曲家といえる。というのも従来のSFC時代までの作曲家は、代表作を作り上げたハード以外での活躍というのは難しかった。打ち込みでの作曲などは経験してきていた作曲家たちにはハードの進化による使える音の増加やクオリティの高さについていくことができなくなっていったのがその原因の一つとして考えられる。PS、PS2、PS3と舞台を変えていくことで、当たり前のようにオーケストラの演奏による音源の収録が行われる昨今のゲーム業界においては、オーケストレーションに対する知識が必要とされてくる場面が多くなる。その専門的な知識を持つ人間はたとえ音楽業界の一つであるゲーム音楽業界でも少ない、なぜならそういう勉強をする人はそっちの道に進むからである。ゲーム音楽家としては異色の知識が、PS2、PS3と舞台を変えていくゲーム音楽に対応する力を身につけていたのである。PS2ではFFXとアンリミテッドサガでまた一つ新しい世界を見せ、ついにはFXⅢではメインコンポーザーを務めるに至った。現在では退社しフリーの作曲家として活動している。ただこの人の場合声楽出身なのでどこまでオーケストレーションの知識があるかは私にはわからない、全部自己流っていうのならもはや頭が上がらない。もしそうならば天才といわせてもらおう。

正直なところアンリミテッドサガにもFFXⅢにももっと割きたかったが、あまりに長くてもいけないので今回は割愛させていただく。アンリミテッドサガのサウンドトラックは一時期1万円を超える高値で取引されていたが、現在では再版されやすく手に入るようになったのでぜひ聞いていただきたい。サガフロ2もFFXⅢもサウンドトラックはあるはずなのでぜひ一度耳にしていただきたいものである。理想としてはゲームありきの楽曲なのでゲームで遊んでもらいたい限りである。

※記事内にある楽曲名は正しい表記でない場合があります、ドイツ語に忠実でない表現になっていますが何卒ご勘弁を

テーマ : ゲーム
ジャンル : ゲーム

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Author:ppsnuwa
趣味に生きたい社会人
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