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#64 誇りある死を「ヴィンランドサガ」

 今回は幸村誠著の漫画、「ヴィンランドサガ」を取り上げたいと思う。この漫画は9世紀から11世紀にかけて西ヨーロッパ沿岸部を侵略した、スカンジナビアの武装船団(海賊)「ヴァイキング」を描いた歴史漫画である。歴史的な史実にある程度基づいている部分もあるが、そもそも11世紀の話であり、海賊の活躍を描く部分が多いのでフィクション要素も多い。

 この漫画の素晴らしい部分、それはキャラの描き方にある。著者の幸村誠は2000年から不定期連載を行っていた「プラネテス」という作品で一気に注目を集めた。連載という作品の発表形態はあまりあっていない、いわゆる遅筆と言われるタイプの漫画家ではあるものの、その理由も漫画を読めばわかる。どのコマにも妥協がない、「エマ」、「乙嫁語り」の森薫や「ベルセルク」の三浦健太郎タイプの漫画家である。しっかりとした取材をもとに描き出すその画は、まさにキャラが生きている、いや、時代を映していると言ってもいいかもしれない。そんな著者が描くこの「ヴィンランドサガ」という漫画はヴァイキングの生き様、そして11世紀の戦士の生き様を描いている。

 主人公は伝説の戦士トールズを父に持つ若き戦士トルフィン、自身の幼いころの過ちと父を裏切ったアシェラッドに復讐を行うために戦いを続けるトルフィンの姿を描く。劇中には数々の戦士が登場しては死んでゆく。戦争が行われ続け、戦うことに喜びを見出している登場キャラがほとんどだ。そして戦士たちは口々に言う、戦場で死ぬことは最高の喜びであると。
 11世紀当時、北欧では俗に言う北欧神話が宗教として浸透していた。北欧神話の伝承では、戦士は戦場で死ぬことで、北欧神話の最高神であるオーディンの居城ヴァルハラに招かれる。そしてヴァルハラに招かれることは戦士としての至上の喜びであるということだ。これらの神話を胸に死を恐れず戦う戦士たちの姿。そして対照的な主人公トルフィンの生き方、たくましく生き抜くその姿、そして第二の復讐。

 ついに13巻を数えたこの作品。最新刊が今週発売されたばかりだが、ついに物語に大きな転機が訪れる。戦士達が抱く「死への憧れ」、それに対しての「死への拒絶」が明確に描かれ、怒りを力に変えるトルフィン。彼の決意が物語を大きく変えていくに違いない。
これからさらに面白くなっていくこの作品をぜひ一度読んでもらいたい。
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テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

#63 一瞬の攻防の魅力「大相撲名古屋場所」

 この週末、スポーツニュースを賑わせているプロ野球オールスター、ゴルフでは全英オープン、まさに夏のスポーツ真っ盛りと言ったところではあるが、日本でも盛り上がっているものがもう一つある、大相撲名古屋場所である。
 相撲に対するイメージはどんなものがあるだろうか、一般的なイメージではやはり古来の伝統とその競技性からビジュアル面という部分ではどうしても若い人に受けるものではないというのが正直なところである。だが体の大きい力士が取る相撲というのは、想像をはるかに超える力と力のぶつかり合い、そして展開の速さと試合運びのうまさが見えるまさに格闘技と呼ぶにふさわしいだけの迫力をもった競技であると言える。だがしかし、老人が見るものというイメージが強すぎる昨今、相撲の魅力を知ることが難しいのが現状だ。
だから今回は7月21日に千秋楽を迎える名古屋場所について今回は少し見どころを伝えたいと思う。

 最初に「千秋楽」とは何かというところから始めよう。千秋楽とは複数日に渡り興行を行う場合の最終日を指す。大相撲は一場所につき15日間行われるため、15日目が千秋楽となる。大相撲ではこの千秋楽に幕内最高位同士の取り組みを行う。今現在大相撲には横綱が白鵬、日馬富士の2名がいるので、両者がこの場所の最後の取り組みを行う。つまり最終日は一番強い者同士がぶつかり合う熱い試合が見られるというわけだ。今場所の優勝はすでに白鵬が決めているが、今場所苦戦を強いられている日馬富士は横綱としての面目を守る以上負けられない一番となる。今場所の横綱同士の取り組みは必見だ。

 二つ目の見どころは日本人大関稀勢の里の一番だ、06年の栃東関以来日本人力士の幕内優勝は遠ざかっている、外国人力士の席巻は相撲人気を低迷させた原因と言われているが、そこに立ちはだかる日本人で今一番横綱に近い力士がこの稀勢の里だ。横綱に昇進するには条件がある、最低条件が2場所連続優勝またはそれに準ずる成績を残しながら、そして横綱に足る品格を持ち合わせているかどうかを横綱審議委員会によって判断され昇進が決まる。稀勢の里は5月場所で13勝2敗という結果を残し、「優勝に準ずる成績」を残していたため、7月の名古屋場所では綱取りに挑んでいた。しかしながら7日目の時点で3敗を喫し綱取りは消滅。しかしそこから調子をあげ、43連勝中の横綱白鵬を14日目に破り、14日目終了時点で成績を11勝3敗とした。名古屋場所では両横綱を下しており、千秋楽で勝利し12勝3敗に付ければ綱取りの可能性が残ると北の湖理事長が示唆していることもあり、明日の取り組みに注目が集まっている。

 相撲という競技の面白さを少しでも知っていただきたい、何より見てもらうのが一番ではあるが、一瞬の勝負だからこその面白さがそこにあるはずだ。国技相撲の人気復活を願って、稀勢の里の活躍にも期待したい。

テーマ : 大相撲
ジャンル : スポーツ

#62 いくつかの不思議「スラムダンクラストシーン考察」

 言わずもがなの名作漫画「スラムダンク」(井上雄彦著)。この漫画について今回は紹介ではなく少し考えてみたい。スラムダンクと言えば、中学の頃札付きの悪として鳴らしていた主人公「桜木花道」が同級生の「赤木晴子」に一目ぼれ、彼女に近づくために彼女が好きなバスケットボールを始めるところから始まる。今回迫りたいのはスラムダンクが一種のラブコメからバスケ漫画に変わった分岐点である。つまり桜木のベクトルが春子からバスケに移ったのはどこだったのかというところだ。

・お約束を破った締めくくり

 この漫画のすべてが物語られているシーンは、この漫画の最終戦、山王工業対湘北戦、一点差で負けている状況で、桜木が流川から初めて受けたパスをブザービーターのミドルシュートで決め、逆転勝ちをするというシーンだ。山王戦は漫画史上でも屈指の名勝負と言っていいだろう、私自身スラムダンクの25巻から31巻を何度読み返したかわからない、何度読んでも面白さと感動は色あせないものだが、このシーンよくよく考えると「あるお約束」を無視したものになっている。
 少し考えてみていただきたい、この漫画のタイトルは「スラムダンク」だ。作中でも何度もダンクシーンは印象的に描かれ、主人公桜木花道も何度もトライしている。普通に考えればこの漫画の最後のシーンはミドルシュートではなく桜木がダンクを決めて終わるのがタイトル的に最も定番の終わり方であるのは間違いない。しかし井上雄彦はそうしなかった。それはこの漫画が当初の一種のラブコメから脱し、唯一無二のバスケ漫画になった証拠でもあるのだ。

・桜木がバスケットマンになったのは?
 
 ではターニングポイントはどこだったのか、それを考えてみたい。何より桜木の意識が爆発的に変わったシーンということになるが、それを考えれば必然的に答えが見えてくる。この漫画で初めて桜木がダンクを決めた試合、それは県大会ベスト4を掛けた翔陽戦でのワンシーン、残り時間2分の時点で翔陽のセンター花形を吹き飛ばして決めたダンク。結果としてファールになり退場したものの、桜木が初めてチームの中で機能した、そして明確にスラムダンクと呼べる強烈なダンクを決めたシーンだ。結果としてスラムダンクという漫画はここで一旦の区切りを迎えている。そして次の試合である海南大付属戦での自身のミスによる敗戦からの断髪をもって、この漫画は「スラムダンク」ではなくなったのだ。
 この漫画の中で桜木は常に「素人」と「天才」という言葉で語られている。その驚異的なスタミナと跳躍力はまさしく天才そのものであり、それは誰の目にも明らかなものであった。その桜木がバスケの猛練習を積み、その成果が出る、素人と天才からかけ離れていく努力の姿こそがラストのミドルシュートであり、その努力を「天才ですから」という言葉で締め括る桜木のかっこよさは筆舌尽くしがたいものがある。

・「素人」桜木と「土台」赤木

 この漫画の特徴としては、桜木の出番が少ないことが挙げられる。翔陽戦のキーマンは三井、そして藤間、海南戦では流川と桜木、相手では神と牧、陵南戦は流川と赤木と小暮、そして仙道と魚住と福田、豊玉戦では宮城と流川、相手は南、そして最終戦の山王では全員に見せ場があった。桜木の活躍はスコアにあらわれにくいものがある、特にスコアに関しての部分はまさしく「素人」を体現している部分であり、どうしても流川との差を桜木自身が感じるようになっている。そう、主人公でありながら目立つシーンが少ない、それは素人だからであるという明確な理由まである。
 そして気づいただろうか、赤木がキーマンとなっている試合も少ないということ。赤木にはキャプテンという立場のせいか不運な役回りが多い。赤木が翻弄されるということで相手の凄さが相対的に表現されている部分が多いからだ。だがこの赤木の役回りも、劇中の安西先生のこのセリフに集約されている。「赤木君と木暮君がずっと支えてきた土台の上にこれだけのものが加わった。それが湘北だ。」そう、赤木がセンターを務めるのはいわば「当たり前」であり、目立つか目立たないというのは関係ない。黒子になる存在というのをこのセリフより以前からすでに劇中でなぞらえていたのだ。


・スラムダンクの不思議

 主人公の出番が少ない、こんなスポーツ漫画そうそうないのではないだろうか。それでいてこの漫画が成立していたのは、魅力ある登場人物が非常に多かったことが挙げられる。試合以外での登場はまずない選手たちにもかかわらず、人気が高いキャラも多い、仙道においてはまさにベジータのような役割を回されているにも関わらず、それでいて一目を置かれ続ける。
さらに不思議な部分、この漫画は主要な登場人物においてもろくに家族構成すらわからないという部分。いかにバスケ漫画と言えどここまでキャラのプロフィールがわからない漫画も珍しい。バスケという要素以外を一切省いた漫画、それがスラムダンクなのである。

 とまあ少しスラムダンクについて気になる部分を少し考えてみた。漫画はただ読むだけでは終わらない、考察という物の楽しさがある。それが面白い漫画であればなおのこと、作品という物は往々にしてそういう物である。

テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

#61 ついに登場巨人の新星「中井大介」

 今回はここ最近大活躍している巨人の若手野手、中井大介にスポットを当てたいと思う。なぜ今回この人選なのか、これには少し理由がある。氏の出身は三重県伊勢市、入学した地元の高校、宇治山田商業高校から2007年3年生の夏に甲子園に出場した。この大会ではシードを獲得し、対戦した佐賀北高校と延長引き分け再試合を演じるものの敗退。
 今大会では前橋商業、宇治山田商業、福井商業を下し商業高校キラーとして注目を集めていた佐賀北高校は、準決勝の帝京高校戦ではセンター田圃の超ファインプレー、決勝では現広島東洋カープの野村祐輔率いる広陵高校と対戦、疑惑の判定と言われた一球の判定の次の投球、3番副島の満塁ホームランで逆転、劇的な勝利を飾り優勝を果たした。「がばい旋風」と呼ばれたこの大会はまさに佐賀北のための大会と言ってよかっただろう、劇的な逆転やファインプレー、そして最後には観客すべてを味方に付けた勝利だった。
 とまあやたら詳しく佐賀北高校のことを覚えているのにはわけがある。なぜなら私もこの時甲子園にいたからである。中井大介選手と筆者は同じ出身校であり、私は氏の一つ下の後輩にあたる。私は野球部に所属していたわけではないが、30年ぶりの甲子園出場ということもあり地元は大盛り上がり、そしてプロ注目選手だった中井選手はまさに地元のヒーローだった。そう、私は中井選手に甲子園に連れて行ってもらったのである。そして氏は2007年のドラフトで巨人に3位指名で入団する。

 早いうちから打撃面で頭角を現し始めた、プロ一年目の2008年には2軍ですでに4番を務めるまでになり、プロ2年目の2009年には1軍に初昇格、平成生まれの選手初ホームランを放つなど、活躍も見せるが定着には至らず、1軍と2軍を行き来する状態が続く。2010年には靭帯を痛めた影響で右足にメスを入れる。プロ入り当初より首脳陣に注目を浴びる機会が多かった中井、2013年キャンプでは長嶋茂雄氏に直接指導を受けるなど、今シーズンへ期待が高まっていたところに遅刻騒動などもあったが、不調の長野に代わり現在巨人の一番バッターを務めている。今日の横浜戦では5打数3安打、この試合唯一の得点となった2ランホームランを放ち見事ヒーローインタビューを受ける。ここ最近3割以上の打率を残しており、まさに絶好調。特に得点圏では.471と驚異的な勝負強さを発揮している。

 まさにこれからの選手、巨人がますます強くなるのは頂けないが、高校の先輩である以上ついつい応援してしまう。氏がますます活躍してくれることを切に祈る。

テーマ : プロ野球
ジャンル : スポーツ

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Author:ppsnuwa
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