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#85 「皇帝」と呼ばれる男「ミハエル・シューマッハの悲哀」

「もっとも偉大な選手」、「歴代最強の選手」、スポーツにおいてこのような議論は後を絶たない。そしてそのスポーツの歴史が深ければ深いほどこの議論は答えが出せない。日本の野球界ならば、「最強の投手は誰?」という議論が始まると、沢村栄治、金田正一、稲尾和久、江夏豊、野茂英雄、斎藤雅樹、伊藤智仁、斉藤和巳、上原浩二、松坂大輔、ダルビッシュ有、田中将大など数々の名前が上がるだろう。だが今の時代沢村栄治の投球を見たことがある人間なんていない、通算成績の数字としては圧倒的だが実際どれだけのスピードが出ていたのかわからない等、時代の違う選手を比べて優劣をつけるということは非常に難しい。野球は数字のスポーツだから、積み重ねた数字を見れば投手は金田正一、打者なら王貞治が日本プロ野球史上最高の選手と言える。だが金田正一は本当にダルビッシュ有よりも本当に上なのかという部分では答えが出ない問題だ。
 なにもこの問題は野球に限ったことではない、昔の選手ほど美化されやすいのは間違いない、沢村栄治は160kmのストレートを投げていたという伝説はあるが、定かではないのと同じで、往々にして話は大きくなりやすい。
 
そんな中で、圧倒的な成績を残すも、最高の名をほしいままにできない選手がF1界にも居る。
その男の名はミハエル・シューマッハ、F1史上最多の通算91勝、7度のドライバーズシャンピオン、通算決勝周回数、通算PP獲得数等、多数の通算記録とシーズン記録を持つF1史上最も多く表彰台の頂点に上った男である。
アイルトン・セナと並び、最も有名なF1ドライバーと言っていいだろう。94年の悲劇的なセナの死から、F1界を背負うバトンを渡されたシューマッハ。彼がF1に残した足跡を少し振り返りたいと思う。

そのドライビングスタイルはまさに正確、作戦を狂いなくこなすそのドライビングテクニックと冷静さはまさに機械のようと評された。日本ではターミネーター、海外でもサイボーグと呼ばれていた時期もある。つまりは車の性能がそのまま結果に反映されるタイプのドライバーであるが(そもそもどんなドライバーでも車が遅ければ勝てない、そこがF1ドライバーの評価の難しいところでもある。)、先行逃げ切り型のレース展開が多かった全盛期のシューマッハは追い抜きやレースの駆け引きの面でやや過小評価されがちだ。しかし真価を発揮する場面が少なかっただけで、晩年においても最後尾スタートから19台抜きなどを見せつけるなど、類稀なオーバーテイクセンスを改めて知らしめた。
 そして2000年から2004年にかけて達成された5年連続ワールドチャンピオンという偉業、まさにF1界を牛耳っていたシューマッハ、この頃では所属していたフェラーリのチームカラーと相まって「赤い皇帝」と呼ばれるようになる。ではなぜ最強のシューマッハが今現在最高の選手と呼ばれないのか、その理由はいくつかある。
まず一つはそのレーシングスタイルにある。シューマッハという選手はレーサーとしての才能に恵まれ、最高の環境に恵まれた選手と言える。そうでなければ7度もチャンピオンになることはできない。しかし才能に恵まれ、環境に恵まれただけではこれだけの結果は残せない。シューマッハはどの選手よりも勝利にこだわったからこそこれだけの結果を残せた。時には意図的に見えるようなクラッシュ、危険な幅寄せなどの行為は時にスポーツマンシップを欠くことになろうとも、シューマッハの勝利への執念が突き動かした。
この危険極まりないドライビングが一つ批判の対象となっている。
 そして最大の理由がアイルトン・セナの存在である。F1界最大のスター、シューマッハが王貞治ならセナは長嶋茂雄だろう。記録のシューマッハ、記憶のセナと言い換えてもいい。とにかくセナは速かった、そして人を引き付ける魅力があった。そして何より現役の間に非業の最期を遂げてしまった。F1が最も人気があった時代の象徴と言っていい選手だった。何より彼にあこがれた選手であふれかえっている今、彼と戦うことができずに世代を変わられたシューマッハを英雄視する人間は多くなかったのである。セナは死をもってF1ファンにとって永遠の存在になってしまったのだ。
 速いと言えばセナやハッキネン、強いといえばシューマッハという時代が今日のF1を作ったと言える。私は最強のレーサーはシューマッハだったと声を大にして言いたい。

そして一個人的な気持ちとしては、私をF1という物に興味を持たせてくれたきっかけがシューマッハだった。親がF1を見ている横で一緒に見ていた幼少時代、唯一覚えていた選手は当時ベネトン所属のミハエル・シューマッハだった。緑と青を基調にし、颯爽と掛けるベネトンのF1カー、そして絵に描いたかのように速そうなミハエル・シューマッハという名前、そして事実速いという伴った実力、魅力たっぷりだった。だからこそ2006年の引退から2010年の復帰はうれしかった。そして結果が残せなかったことが悲しかった。毎年当たり前のようにシーズンを制していた姿はもうそこにはなかったが、レースを楽しんでいたシューマッハの姿は印象的だった。

そのシューマッハは今現在スキー場での事故で非常に危険な状態にある。頭部を強く打ちつけてしまい意識不明の重態、なぜ彼がと思わず言ってしまったが、無事復活してくれることを祈って今回取り上げた。彼はまだ神格化されるべきではない、生ける伝説としてF1界をもっと盛り上げてもらわないといけない存在だ。セナの後を追うには早すぎる、早く帰ってこいシューマッハ。

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テーマ : F1グランプリ
ジャンル : スポーツ

#84 憧れを抱かせるには十分すぎる「げんしけん」

大学生活-・・・義務教育から離れ、全く新しい環境に一人で飛び込む。生活の自由度は一気に広まる。その輝かしい時間はリア充だけのものではない。
「オタクだって青春してもいいじゃないか」これがこの漫画のテーマだろう。

この漫画とは2002~2006年の間、講談社の月間アフタヌーンで連載されていた、木尾士目著の漫画「げんしけん」のことである。この漫画は高校時代隠れオタクだった主人公笹原完士が、椎応大学へ進学しオタクサークルである「現代視覚文化研究会」通称「げんしけん」に入会。そのほか多くの新入生によって半休止状態だったサークルが少しずつ活気を取り戻していく姿を描く。
 まさにオタクの青春、その楽しそうな光景、恋愛etc・・・この漫画が連載されていた当時中学生だった私は、大学生活という物に強烈な憧れを抱いた。ああ、こんな世界があるんだろうかと心躍らせた。笹原のような大学生活を送れたかどうか、大学の卒業式の日に頭に駆け巡っていた。
 
と個人的な部分はさておき、この漫画はオタクを描いた作品の先駆けと呼べるものである。少し遅れて「ドージンワーク」や「妄想少女オタク系」さらには映画化、ドラマを果たした「電車男」の出版等も相まって、2004年頃にプチブームを起こした「オタク」という存在をいち早くコンテンツとして取り込んでいた作品である。
この一時的な「オタク」ブームは、一般的なオタクのイメージである「内向的」、「消極的」とイメージを覆していくことはできなかった。普通の人が抱く気持ち悪いというイメージが生き残ってしまった。メガネ、チェックのシャツ、リュック背負っていると言ったステレオタイプなオタクというのはさすがに今や少ないが、90~00年代に当たり前の光景だったし、その時代に流行ったエヴァンゲリオンなどの作品が収束に向かうと、オタクになった人間とならなかった人間の間に温度差が生まれていった。
そんな中で、大量発生したのが隠れオタクだった。そしてこの作品の主人公はまさにこの隠れオタク、アフタヌーンを読んでいる読者層とほぼ完全に一致する主人公像の青春ストーリーは、青春とは無縁になりがちなオタクたちの心をくすぐりにくすぐったのである。

定番と言っていい属性の3人の先輩、とてもオタクに見えない彼女持ちのイケメン同級生とその彼女、漫画家をめざすもののその極端な性格によって周りと壁がある後輩やもろもろの登場人物が作るアクティブだが非常にインドアな青春。

憧れた人は数知れず、そしてコアなオタクってどんな生き物なのかを10年前にすでに描き出していたこの作品。今現在続編も連載中、再度高まるげんしけん熱を見直したかった。

テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

#83 ミスターサブマリン世界へ「渡辺俊介」

 2013年も年の瀬、師走を迎えた。この時期になるとスポーツ界はみなスーツに着替えだす。そう、来シーズンに向けての契約更改の時期だ。無事に年俸アップを勝ち取ったもの、減俸を受け入れたもの、そして将来の覚悟を決めたもの、まさに人生の岐路を迎える選手も多い。今回はそんな中新しい人生に踏み出す決断をしたある男を取り上げたいと思う。

 アンダースロー、この独特なフォームをプロ野球でも実践するピッチャーは少ない。しかし秋山登、杉浦忠、山田久志をはじめとする伝説のピッチャーもいるのも事実。そのあまりに独特なピッチングフォームに打者は戸惑う、低いリリースポイントから放たれるボールは打者に浮き上がって見えるという。このただでさえ少ないアンダースロー投手の中でも一際異彩を放つフォームの投手が、メジャーリーグ挑戦を表明した。

その男の名は渡辺俊介、2000年に千葉ロッテマリーンズに入団、通算87勝を挙げるミスターサブマリンは、37歳を迎える今年、メジャーリーグへの挑戦を表明し、ボストンレッドソックスとマイナー契約を結び夢の実現へ一歩近づいた。
渡辺俊介とアンダースローの出会いは中学生の頃にさかのぼる。6歳から野球を始めたが、万年控えだった渡辺俊介少年にアンダースローを進めたのはなんと彼の父親、その後新日鐵君津の應武監督に見初められ社会人野球に進み、頭角を現す、2000年にはシドニーオリンピック代表として選出され代表戦でもイタリア相手に勝利投手となるなど実績を上げる。
そしてそのシーズンオフに千葉ロッテよりドラフト4位で指名を受け入団。通算87勝82敗、防御率3.68という数字を残している。
 メジャー挑戦を表明する選手としてはやや物足りない成績だろう。松坂大輔、上原浩二、ダルビッシュ有、岩隈久志。黒田博樹らと比べるとプロでの実績としては及ばないが、渡辺俊介にはそれでも期待させるものを持っている。

渡辺俊介の魅力、それはその投球フォームにある。アンダースローが物珍しい、ただそれだけのピッチャーならここまで話題にならないだろう。しかし渡辺俊介のアンダースローというのはさらに一味違う。とにかく体の柔らかい渡辺(なんと立位体前屈+25センチ)のフォームは、体を折りたたんでわずか地面三センチ上からボールが放たれる。低い位置からストライクゾーンに向かってくる球はとにかく浮き上がって見える。典型的なオーバースローの投手と比べ、リリースポイントから捕球時のミットへ落差は1mも上という研究結果も出ている。国際試合でも結果を残している渡辺、メジャーリーグにはアンダースロー投手が少ないため、ただでさえ特殊な渡辺俊介のピッチングがどれだけの驚嘆をもって迎えられるか非常に楽しみだ。
来年には上原、田沢と同じチームに所属する渡辺、渡辺-田沢-上原というリレーが見られるのを夢見て、今回を終えたいと思う。

テーマ : プロ野球
ジャンル : スポーツ

#82 受け継がれる意志「ロマンシング・サガ2」

今回は1992年にスクウェアから発売されたRPG、「ロマンシング・サガ2」を取り上げたいと思う。この作品はGBで発売された「魔界塔士サ・ガ」から数えて5作品目、前作ロマンシングサガで垣間見えたフリーシナリオシステムの欠点とシナリオスピードのバランスを練り直して仕上げられた作品だ。

ロマンシングサガ1については以前取り上げたのでこちらをご覧ください
http://ppsnomu.blog.fc2.com/blog-entry-16.html

名作と迷作の狭間をさまよっていた前作とは打って変わって、ロマサガ2は文句なしの名作、いや傑作と言っていい出来である。

まずはあらすじを
人々の間で語られる「七英雄の伝説」。数多くのモンスターを駆逐した後に姿を消した、7人の英雄。彼らはいつの日か再び現れ、世界を救うという。
そんな伝説も、乱世においては救いを求める人々の間で盛んに語られたが、平穏な時代になると忘れ去られていった。しかしやがて、世界には数多くのモンスターが現れ、強大な力に苦しめられた人々は再び七英雄の伝説を語るようになる。そして、ついに伝説のとおりに七英雄が再び戻ってきたのである。
この乱世の中にある小国「バレンヌ帝国」では、全盛期だった頃の広大な領土回復のために、周囲のモンスターを駆逐していた。そんなある日、正体不明の魔道士が帝国を訪ね、七英雄の存在に警戒するよう忠告をしてきた。なぜならば、七英雄の行動は、世界を救うのとはかけ離れた凶暴なものであった。魔道士は、七英雄に対抗するための力として、自らが認めた跡継ぎにその能力を受け継がせる能力「伝承法」を皇帝に与えた。
こうして、領土拡大と世界の平穏を目的としたバレンヌ帝国は、七英雄との時代を越えた長きに渡る戦いをすることになる。                                       Wikipediaより

このゲームはいわば「大河ドラマ」である。しかも1000年に渡る長きの戦いの歴史をプレイヤーが作っていく、壮大なRPGだ。主人公はバレンヌ帝国の皇帝として領土拡大と、七英雄との戦いを繰り広げていく。
前作と同じくフリーシナリオを採用しているが、今作では、イベントのタイミングや敵の数などを考慮したうえでの配置になっているため、前作のような何をすればいいか全くわからない状況や、ダンジョン内でのモンスターによる行列現象が無くなった。これだけで遊びやすさが爆発的に向上した。
このゲームは主人公が入れ替わる点が独特だ、バレンヌ帝国の皇帝として何代にもわたり受け継がれていく使命と意志。バレンヌ歴1000年から、最大で4000年まで時代は続く、こなしたイベントや戦闘の数に応じて経過する年月が変わる。仲間のバリエーションも豊富で、自分の好みに合ったパーティを組むことができるのもこのゲームの面白いポイントだ。

そして今作から導入されたあるシステムが戦闘の面白さを爆発的にアップさせた。
RPGでは鉄板の要素である「レベル」という物はサガシリーズには基本的に存在しない。戦闘毎にパラメータが上昇するシステムを取っている。となると戦闘で使用する特技はいつ覚えるのか?そこに新しい答えを出したのが「閃きシステム」である。攻撃の威力は武器の種類ごとに設定されている武器レベルが上昇することにより上がっていく。しかし必殺技を覚えるのは戦闘中、しかも覚えるタイミングは完全にランダムで、戦闘中に技を閃く演出(キャラの頭上に電球が光る)と共に新しい必殺技を覚える。覚える技は相手が強いほど強い技を閃くようになっており、これがドラマティック(ロマンシング)な戦闘を演出することも珍しくない。そしてこの「閃きシステム」はのちのシリーズにも必ず採用されるまさにサガシリーズの顔と呼べるシステムとなった。
hirameki.jpg
閃きシーン
http://www.tanteifile.com/newswatch/2008/12/31_02/index.html

前作では敵と効率の良い戦闘を繰り広げるための立ち位置にすぎなかった「陣形システム」も見直され、今作から陣形によって攻撃力が上がったり、防御力が上がったり、素早さが上がったりと戦闘を奥深くするシステムが増えている。そして前作ではあまりに影の薄かった術も強力になり、クリアするうえで必要不可欠なものになっている。
まるでプレイヤー側が敵を楽に倒せるようになったかのような書き方をしているが、このゲームに登場する敵は皆強い。歯ごたえある戦闘バランスや、雑魚敵から逃げ回っているとどんどん相手が強くなっていくシステム等戦闘システム周りにはもっとも力を込めているのがこのゲームである。

このゲームはRPG好きには本当にお勧めしたい作品で、私が最も好きなゲームである。私の中では、このゲームに比肩する作品は無いとはっきりと宣言できるほどである。この作品をクリアした時に、ある演出が入る。その演出は皇帝として歴史を作ったということを実感させてくれる素晴らしいもので、歴代の皇帝がどんな活躍をしたのかを思い起こさせてくれる。ただの戦闘ゲームに終わらせなかった河津秋敏氏の演出が憎い。

なんだこいつほめてばっかりじゃねえかと思うだろうが、仕方ない。文句の付けどころがないのだ。強いて言えば初プレイでクリアするのが難しいというところと、キャラの移動スピードがちょっと遅いというぐらいのもので、このゲームほどいろいろな遊び方ができるゲームはそうそうない。少なくとも私自身40回はクリアしているのだから間違いない。

RPGが好きなら遊ばないと損、こんなゲームを作ってくれた90年代のスクウェアには頭が上がらない。

テーマ : RPG
ジャンル : ゲーム

#81 答えはどこにあるのか「リアル」

 今回は井上雄彦著の漫画「リアル」を取り上げたいと思う。スラムダンクの連載が終わり、少しの充電期間を置いたのち、週刊モーニングで「バガボンド」の連載をスタートさせた井上雄彦だったが、そのバガボンドの連載と並行してスタートさせた漫画がこの「リアル」だ。不定期ながら週刊モーニングで連載中のこの作品は、バガボンドでは見せない井上雄彦の側面が見ることができる。
 
あらすじ
車いすバスケットボールの有力選手でありながら、我が強くチームメイトと上手くいかずに一度チームを抜けた戸川清春
高校を中退し、自身の引き起こしたバイク事故により他人に一生残る傷を与えてしまった罪に苛まれる野宮朋美
自尊心が強く、交通事故で下半身不随になったことを受け入れることのできない高橋久信
それぞれが向き合うREAL(現実)――
Wikipediaより

この漫画の中心にはバスケットボールが存在している。バスケ漫画スラムダンクで大ヒットを記録した氏が描く題材としてはこれほどうってつけのものはない。だが、この漫画の主はバスケはバスケでも少し趣向が違う、何を隠そう「車いすバスケットボール」である。下半身不随、骨肉腫による膝下切除手術など、車いすに乗る経緯は人それぞれ、車椅子バスケを始めた理由も人それぞれ。登場人物がそれぞれ抱える悩み、直面する残酷な現実、「生きる」ことの「リアル」を描くのがこの作品だ。

 この漫画には主人公がたくさんいる。あらすじに上がっている3人のほかにも自分自身と向き合い戦っている人が数多く登場する。そしてすべてがバスケとつながっているわけではない。なぜならこの漫画は車椅子バスケが中心にあるものの車椅子バスケ漫画ではないからだ。私はこの漫画をあくまで「ノンフィクション」だと思っている。もちろんモデルがいるわけではない、だが、人が直面するリアル、罪悪感、後悔を色濃く、そしてその絶望から見出す希望と挫折は誰もが向き合っているものに違いない。
普通に考えればものすごく重い題材を扱っているこの作品は、暗い雰囲気に終始してしまうところだが、それも主人公が多いという面により救われている。最新13巻のプロレスラー白鳥加州雄の話は、胸を熱くしてくれるに違いない。

バガボンドの連載で磨き上げた才筆により、漫画家から芸術家の域に飛び出してしまいそうな井上雄彦をGペンとケント紙につなぎとめているこの作品は、漫画家井上雄彦のストーリーテラーとしての才も見せてくれている。
次の巻が待ち遠しくなる。このあたりで締めさせてもらおう。

テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

プロフィール

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Author:ppsnuwa
趣味に生きたい社会人
野球とF1とゲームと漫画をこよなく愛す
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