今回は世界最大のゲームイベント、「EVO2014」に迫りたいと思う。
正式名称は「Evolution Championship Series 2014」(以下EVOと呼称する)、1995年には前身の大会が開催されていたとのことなので、今回でなんと20回目の開催を迎える格闘ゲームの祭典である。
世界では対戦ゲームを「e-スポーツ」と呼び、スポーツとして扱う動きが見られる。とくにアメリカや韓国ではその動きは顕著で、プロゲーマーやプロチームが多く存在する。「e-スポーツ」に含まれるゲームは多岐に渡り、リアルタイムストラテジーや、FPSなど、同じ条件の元、運の要素を極力排除した上で対戦を行うゲームが「e-スポーツ」と呼ばれる。
そんなe-スポーツで扱われるゲームというのは比較的日本人にはあまり人気がないタイプのものが多かった。RPGなどストーリーを楽しむものが好きな日本人にはあまり受けなかったのだ。その反面FPSなどは海外ではまさに主流と読んで差し支えのない人気を持つ、更には大ヒットタイトルが多数登場、その人気も相まってe-スポーツという考え方は一気に普及したのだ。
じゃあ日本は出る幕がないの?と思いきや、日本人が対抗できる分野があったのである。
対戦格闘ゲーム、通称格ゲー。カプコンが発売した「ストリートファイターⅡ」は全世界で爆発的な人気をうみだし、対戦格闘ゲームという新しいジャンルを切り開いた。プレイヤーの優劣がはっきりとわかる最もスポーツ的な競技といってもいいだろう。なによりこのジャンルは日本生まれの日本育ち、日本の格ゲーマー達は一時期格ゲーというジャンルで無敵を誇った。しかし世界も黙ってはいなかった。
この「EVO」という大会は、世界最大の格闘ゲームの大会である。6つのメインタイトルと、複数のタイトルによる副次的なサイドトーナメントで構成され、開催期間の7月11日から13日までの3日間、アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガスで格ゲーをしまくる凄まじい大会だ。全タイトルへの参加者は6000人を超える。6000人もの対戦をたった3日で消化しようというのだから、その大胆な発想には頭が下がる。
そして今回行われる2014大会でのメインタイトルがこちらだ。
・ウルトラストリートファイター4
・アルティメットマーブルVSカプコン3
・インジャスティス~神々の激突~
・ザ・キングオブファイターズ13
・BLAZEBLUE CHRONO PHANTASMA
・大乱闘スマッシュブラザーズDX
・鉄拳タッグトーナメント2
そして同時に行われるサイドトーナメントタイトルがこちら
・ソウルキャリバーV
・メルティブラッド アクトレスアゲイン カレントコード
・アルカナハート3ラブマックス
・カオスコード
・アクアパッツァ
・ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル
・ペルソナ4アルティメット イン アヨナカアリーナ
・ギルティギア
・スカルガールズ
そして同時開催としてスーパーストリートファイターⅡXの大会も行われる。
なんと計16タイトルものゲームの大会が行なわれるのだ、これはまさにお祭りである。
当初は開催地がアメリカということもあり、日本人プレイヤーはほとんど参加することができていなかったこのEVOだが、2003年から日本人プレイヤーとして最も知名度が高いであろう梅原大吾が参戦、複数のタイトルで優勝し、世界でもその名を馳せたのがきっかけとなり、徐々に日本人参加者も増加、かの有名な「背水の逆転劇」も2004年のEVOでの出来事である。海外と日本で注目を集めた「ストリートファイター4」が大会のメインタイトルになると、日本人参加者も一気に増加した。今回のEVO2014ではなんとメイン6タイトル中に165名が連なっている。
そしてさらに参加者として魅力的なのが、その賞金の高さにある。日本国内では賞金がでる大会自体珍しいほどだが、このEVOでは参加者から賞金分の参加費を集めているため、参加人数の多いタイトルほど賞金は高額になっている。大体が100万円ほどだが、今回の大会では、その注目度の高さからゲームの開発を行った会社がスポンサーとなり、さらに賞金が増額している。EVO2014で最も高額なのはBLAZEBLUE CHRONO PHANTASMAの230万円、日本ではとても真似できない代物である。
もちろんアメリカで行われる大会のため、ストリーム配信はあれど、基本的には全て英語だし、外国人ばかり出てくる。しかし同じゲームを愛し、同じゲームを楽しむ者同士不思議と通じるものを感じる。スポーツの域に到達したゲーム文化を是非ご覧いただきたい。
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