・シーズン結果
ついに今シーズンのプロ野球も10月7日の中日対広島戦の結果を残し、その他の順位がすべて確定した。7日の試合は勝てば広島が3位に上がる非常に重要なゲームとなっている。
優勝チームはセリーグが東京ヤクルトスワローズの14年ぶりの優勝、パリーグが福岡ソフトバンクホークスの2連覇と相成ったわけだが、今シーズンはセパで真逆と言っていいほど極端なシーズン展開となった。5月頃に首位に立って以来、一度も首位を明け渡すことなく、パリーグ史上最速で優勝を決めたソフトバンクに対し、セリーグのスワローズは残り3試合を残しての接戦を制しての優勝決定だった。時系列で少し振り返ってみたい。
今シーズンの開幕前、3月26日のこのブログでのセリーグ順位予想がこちら。
http://ppsnomu.blog.fc2.com/blog-date-201503.html4位阪神の可能性を残し、それ以外はすべて外しました。これほど情けないことはない。しかしながら、この論拠部分に目を通していただきたい。あながち間違っていないと思いたい。今シーズンは私が台風の目1号2号としていた2チームがセリーグを引っ掻き回したと言っていいだろう。
■前半戦を振り返る。
・前半戦の主役
阪神、巨人、広島のカード勝ち越しで始まった今シーズン、見事昨シーズンのAクラスが勝ち越したことで、今年もまたAクラスが一緒か・・・という落胆もつかの間、ここから中日横浜の逆襲が始まる。4月頭にナゴヤドームでの試合が多かったこともあり、中日が調子を上げて首位を奪うと、その首位中日を唯一ナゴヤドームで叩いたチームである横浜が5月を前に首位を奪う。
セリーグ前半戦の主役は間違いなく横浜DeNAベイスターズだった。7連敗を喫しながらも絶好調を貫き、交流戦突入前に30勝19敗とチーム史上初の最大貯金11を達成、逆転の横浜とよばれ、ホームの横浜スタジアムでは圧倒的な勝率を誇った。しかしながらこのころから大型連敗と延長戦での勝率の悪さが暗い影を落としていたと言える。
そしてセリーグ首位で迎えた交流戦、3勝14敗1分けと12連敗を喫す大敗北で貯金をすべて吐きだし、3位まで後退。その後オールスター直前には首位に返り咲いたが、その後は見るも堪えない試合が続き最下位転落。前半戦首位ターンから最下位という世紀の大失速を見せたのである。
・前代未聞の事態
1位横浜と2位巨人が交流戦で大幅に負け越したためセリーグの貯金が失われる事態に発展。7月3日には全チーム借金を背負うという異例の事態が生まれた。この時点で首位から5位までなんと0.5ゲーム差。史上まれにみる混セはパ強セ弱の状況が生み出した悲しい副産物であった。さらには今シーズン広島を除く5球団が一度は首位に立つという稀にみる混戦模様。あらゆるスタッツでセリーグトップクラスを記録していた広島が低空飛行を続けたことで緒方監督への猛バッシングが始まったり、得失点差-70を超えてなお首位を走った阪神など、まさに前代未聞ずくめのセリーグ前半戦だった。
■後半戦振り返り
・3チームのトップ争い
オールスター明け、徐々に貯金を増やしていったのは、ヤクルト、巨人、阪神の3チーム。首位に立ったチームから引きずり降ろされる展開がしばらく続いたものの、8月の終わりに死のロードを乗り越えた阪神が首位に立ち、10年ぶりのリーグ優勝成るか・・・といったところで秋の風物詩の大失速。ここで打撃陣が軒並み好調のヤクルトが首位を奪還。9月の月間MVPにも輝いたエース石川の獅子奮迅の働きで2位以下を突き放した。そして今シーズン下位に沈み続けていた広島カープはようやく安定し始め、徐々に順位を上げていった。そして首位で前半戦を折り返した横浜は最下位、下馬評の低かった中日と共に下降線を辿り続けていった。
・首位ヤクルトを支えた影の立役者
今シーズンのヤクルトは、主砲のバレンティンを欠き、序盤は9連敗を喫する等、不安定な面ものぞかせていた。しかしながらシーズン頭は先発陣の謎の安定により14試合連続2失点以下のリーグ記録を作ったりと調子の良し悪しがイマイチわからないチームとして不気味に2~4位を推移していた。そんな中でチームに勢いをもたらしたのはほかならぬ山田哲人、川端慎吾、畠山和洋の三冠トリオなのは言うまでもないが、その他にも素晴らしい活躍をした選手は多くいた。打の主役が前述の3人ならば、投手はロマン、オンドルセク、バーネットの助っ人中継ぎ三人集、通称ROBと秋吉亮を含めた4人だ。ヤクルトの長年の課題であった投手陣の充実。その一端である中継ぎ陣に関しては、今年はこの4人の活躍でセ屈指の救援陣となった。特にバーネットは3勝41セーブに対して敗戦はたったの1、驚異の成績でセ最強のクローザーとして君臨した。
そしてチームに勢いをもたらしたのは、ベテラン館山昌平の復帰だろう。この3年間リハビリに苦しんだ館山だったが、3度のトミージョン手術を乗り越え、見事復帰を果たした。その館山の復帰に呼応してか、左右のエースとして連れ立った石川の成績もぐんぐん向上。秋の勝負どころでは無類の強さを発揮した。さらには昨年トレードでソフトバンクからやってきた、新垣と山中の両名。新垣は手薄な先発陣の穴を埋め、山中に至っては7月から8月にかけて6連勝を記録するなど安定した成績を残し、後半戦の上位進出の陰の立役者となった。
攻撃陣では上田、比屋根の両名は今シーズン頑張ったと言えるだろう。川端、山田、畠山の破壊力抜群の3,4,5の前に塁に出るという重要な仕事だったが、今までの2人とは思えない渋い活躍を見せた。特に上田は今シーズンサヨナラ打を3本ほど打っており、ファンのイメージも良くなったに違いない。そしてセの捕手では唯一規定打席に到達した中村悠平。今シーズンこそ打率はいまいちだったが、その他のサイドワークでは十二分の働きを示し、投手陣からの信頼も厚い。課題だったショートの守備難もFA加入の大引の頑張りで補えたりと、ヤクルトとしてはうまくかみ合ったシーズンとなった。
■最後に
今シーズンは最終的にヤクルトに勝利の女神がほほ笑んだ。来年はどうなるだろうか、近年まれにみる波乱が続いた今シーズンと同じようにとはいかないだろうが、早速楽しみである。まずはその前にCSと日本シリーズ、そしてプレミア12が待っている。野球シーズンもそろそろ大詰め、最後まで楽しみぬきたい。
テーマ : プロ野球
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