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#190 どちらも凄いでいいだろう「ピート・ローズとイチローの安打記録について思うこと」

 2016年6月15日、野球界の歴史に新たな1ページが刻まれた。フロリダ・マーリンズのイチロー選手が日米通算4257安打目のヒットを放ち、非公認の記録ながらピート・ローズの持つメジャー通算最多安打である4256安打を超えたのだ。

メジャーの安打数に関する記録の中でもいわば究極とされる通算安打記録に、日本人選手が触れた瞬間でもある。まずはその途轍もない数字に敬意を込めて、この数字が意味するものを紐解いていきたい。まず単純に考えれば、シーズン200安打を21年続けても到達不可能な数字であるということ。メジャーリーグでは現在1シーズン162試合行われている。その中でもシーズン200安打を超える選手は毎年2~3人程度だ。この記録を達成するためには、高打率かつ、多くの打席に立つ必要がある。そのため必然的に1番バッターが多い傾向になる。イチローはもちろんのことだが、ローズも1番バッターを多く務めた。 

ローズが初めて1軍に定着した1963年から1982年までの20年間で毎年平均700打席に立っており、これはイチローのメジャー15年間の平均である676打席を上回る数字である。もちろんローズの方が若い年齢でメジャーのレギュラーを勝ち取ったことに起因するのは間違いないが、20年にわたり1番を務め続けたローズのタフさは称賛に値するものだろう。なによりローズは通算.303という高い打率を誇ったバッターでもあり、通算11度のシーズン200安打を達成している。そんなローズをしてもなお、タイ・カッブが残した4191安打の頂きを超えるには24年もの歳月を要した。通算出場試合数3,562、通算打席15,861、通算打数14,053のMLB通算最多記録を打ちたて、ようやくたどり着いた4,256安打だったのだ。

そして今回のイチローもプロ24年目での達成と相成った。プロ3年目の1994年から1軍のレギュラーをつかみとり、衝撃のシーズン210安打を記録。そこから2000年のシーズン最後まで7年連続で首位打者を獲得、1278安打をNPBで積み上げた。そして鮮烈なデビューを飾り、メジャーリーグのシーズン最多安打記録262安打を記録、メジャー史上初の10年連続200安打を達成するなど2979安打もの数字を積み上げた。

記録が近づくにつれ、日本での報道は過熱した。そしてマスコミは記録保持者のピート・ローズへの取材を試みだが、ここでのローズの発言は「レベルの低い日本の数字との合算は認めない。」というものだった。やはり今回の盛り上がりの焦点はそこだろう。合算数字である以上公式記録としては残らない。そのためイチローのローズ越えという数字もぼんやりしてしまっているということだ。ただ単純に内外の評価を見てみるとおおよそ好意的な反応が多い、記録好きなアメリカ人も4000を超える数字の偉大さに敬意を払ってくれているのだろうと感じる。中にはイチローを祝福しないローズに対して苦言を呈する米国記者も現れるほどだった。イチロー本人にしても、この数字を目標にしてきたつもりはないということや、ローズの祝福が無いのであれば記録に特別な感情を抱くこともないという発言もある。逆に皮肉とも取れる「ジーターのような人格者にMLB記録を更新してほしい」という発言も見られた。

一連の流れを見ての持論で申し上げれば、「どっちも凄いでいいじゃない」というものだ。ローズの発言は、NPBを見下しつつも残念ながら的を得ている物であることはゆるぎない事実。現に2つのリーグにまたがる記録である以上、公式のMLB通算記録にも、NPB通算記録に名前が残らない。ローズが記録した4256安打という数字は、紛れもなくMLBにおけるNO.1の数字であり、そこに誰も異論はないだろう。ただ通算本塁打数を王貞治が抜いたときのハンクアーロンのような紳士的な対応をピート・ローズに期待した周囲が間違っていたということだ。監督在任中の野球賭博により殿堂入り資格を永久的に失ってしまったローズにとって通算安打記録は己のすべてである。この現状において、自分の価値を遠回りに下げようとする周囲の声に攻撃的になってしまっているだけだろうと弁護しておきたい。ローズはイチローの実力自体を認める発言は以前から行っており、イチローを嫌っているのではなく、盛り立てる周囲の声が気になるのだろう。

そしてイチローについては、個人的な意見を申せば、「すごすぎるしかっこよすぎる」と語彙力が3段階ぐらい欠落するような表現しかできない。120年に及ぶメジャーリーグの歴史の中で、1軍キャリア4000安打という数字を超えたのはイチローを含めたった3人しかいない。特にイチローに関しては27歳からメジャーでプレーを始め、15年間で3000もの数字を積み上げようとしている。その間メジャー記録をいくつ樹立してきたかわからない。間違いなく日本人史上最も優れたプレイヤーであることは間違いないだろう。本塁打数こそとびぬけてはいないものの、それ以外の数字があまりに凄い。NPBの数字で比較すれば、通算出場試合数1位(2位の谷繁と344差)、通算安打数1位(2位の張本と1193本差)、通算二塁打数1位(2位の松井稼頭央と28差)、通算三塁打数2位(1位の福本の115と1差の114)、通算盗塁数2位(1位の福本と356差)と、日本人の通算最多系の記録のほとんどを更新に掛かっている状態だ。本人は50歳までプレーを続けると口にし続けている通り、故障はほぼ無縁のプロ生活を行ってきた。イチローについては両手離しでひたすら褒め称えても差支えない、そんなプレイヤーだ。

これから残すイチローの数字をただただ追いかけ、そして最後まで見届けたい。そして野球殿堂入りするその日を楽しみに待っていよう。
願わくばイチローがMLB通算最多安打を更新しますように・・・
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テーマ : MLB
ジャンル : スポーツ

#189 5月大活躍の左腕コンビ「石田健大&今永昇太」

今回は久しぶりに野球選手にクローズアップした記事で行こうと思う。5月度のセリーグ投手月間MVPを争っているこの両名、石田健大投手と今永昇太選手だ。
 両投手とも横浜DeNAベイスターズの選手で、それぞれ14年ドラフト2位、15年ドラフト1位の投手だ。
 まずは石田の紹介を一つ。出身は広島県、広島工業高校でエースと務め3年時にはノーヒットノーランも達成するなど、ドラフト候補に挙がる。しかしプロ志望届は提出せず、そのまま法政大学へ進学。2年時から頭角を現し始め、3年時には最速153kmを記録するなど一躍ドラフト1位候補に名乗りを上げるが、4年時に肩痛を発症。そのため各球団は1位指名を回避したものの、そのタイミングを狙ってDeNAが2位指名で獲得。加賀美、三上、三嶋と横浜所属の法政エースの系譜を継ぐ形となった。
 プロ一年目は、肩痛の影響もあり、序盤は2軍暮らしが続いたが、7月に初昇格し初登板、8月6日のドラゴンズ戦で8回1失点で初勝利を挙げる。その後も好投を続けるも、石田への援護は少なく、頻繁に見殺しにあい2勝6敗でシーズンを終える。しかしながら防御率は2.86を記録しており、翌年の飛躍を期待された。

そして迎えた2016年シーズン、石田は開幕ローテ入りを果たす。開幕3番手で迎えた開幕カードの広島3回戦、筒香と戸柱のホームランでリードを作るも6回に崩れ同点とされる、続く2回目の登板となった阪神戦では初回に3失点を喫し、その後もいいところなく敗戦、続くヤクルト戦では援護もあり初勝利を挙げるものの5回に崩れた。4/19日の広島戦でも5回に崩れ追いつかれ、翌4月26日の中日戦でも6回に追いつかれた。とまあご覧のとおり、石田にとって5回6回はまさに鬼門、ファンとしても「燃える前に6回になったら継投しろ」という声が上がり始めていた。
実際のところ5回6回を迎えるまでの石田のピッチングは素晴らしいもので、今シーズン5回以前で失点したのは4月3日の阪神戦と4月19日の広島戦の2試合だけで、それ以外の失点はすべて5回以降に記録されていた。6回を迎えた石田の主な失点は本塁打によるもので、4/26の降板後に木塚コーチから「ホームランは助けることが出来ないが、単打ならなんとかなるんだ」と諭され、低めへの意識をより強いものにした。

次の登板から石田は目が覚めたかのような活躍を見せる。
 5月中の4度の登板で27イニングを投げ、失点はわずか1。月間4勝を挙げ月間防御率はなんと0.33という驚異的な数字を残した。低めを丁寧に突きながら、戸柱の大胆なリードも生き、相手を打ち気にさせつつ打ち取るピッチングを確立。5月月間では3試合で7イニングを投げ切っていたが、なんと100球に到達した試合はなく、球数を抑えることでもう一つの弱点であったスタミナ不足もカバーすることが出来るようになったのだ。目下5月度月間MVPの最右翼となった石田、交流戦での活躍に期待したい。

追伸
石田は6月1日のライオンズ戦に登板、5回まで無失点も6回にコントロールが乱れ連続四球を与えた後、浅村に32イニングぶりに被本塁打を許し、敗戦投手になってしまった。


そしてもう一人は今永昇太、2015年ドラフト1位で入団した駒沢大学のエースだ。出身は福岡県北九州市。中学当時は体が小さく、強豪校からスカウトが無かったため、そのまま地元の北筑高校へ進学。3年時には春大会などで活躍し、スカウトにも注目されるも駒沢大学へ進学。1年春から登板し、2年時には早くもエースとなった。3年秋時には大車輪の活躍で、MVP、最優秀投手、ベストナインの三冠を達成、駒大の26季ぶりの東都リーグ優勝の原動力となった。しかし4年時に左肩を痛め、春季は登板なしに終わり、秋は絶不調。リーグ1部2部入れ替え戦にて、ヤクルトスワローズからドラフト1位指名を受けていた東洋大の原樹里とのドラ1対決が行われたが、今永は敗れ駒沢は2部に落ちることになってしまった。肩の怪我があったものの、大学NO1左腕の評価は変わらず、今永本人は秋の絶不調もあり、プロ志望届の提出を迷ったものの最終的に決心をし、今永1位指名を公言していた横浜DeNAベイスターズより、約束通り1位指名を受けた。
横浜DeNAの監督が中畑清からアレックス・ラミレスへ変わったことを受け、ドラフト直後の記者会見では早速今永流のゲッツを披露、記者たちを沸かせた。私はこのシーンを見ておちゃらけたイメージを今永に抱いていたが、のちに非常にクレバーな選手であることが判明する。

1軍キャンプでスタートした今永のプロ野球選手としてのキャリア、練習試合や紅白戦でも上々な仕上がりを見せ、ラミレス監督からキャンプMVPを贈られる。その後オープン戦でも好投を続け開幕ローテ入りを掴んだ。
 そして迎えたプロ初先発は3/29の横浜スタジアムでの巨人戦。残念ながら3本のホームランを浴び4失点を喫し敗北、ほろ苦いデビューとなった。そしてここから今永のつらい戦いが始まる。プロ二戦目の登板はナゴヤドームでの中日戦。今永は好投し7回1失点を記録するも、味方は9安打を打ちながら得点できず見殺しにあい2敗目、3戦目は阪神相手に5回自責2で終えるも敗戦。4戦目は巨人菅野との投げ合いで7回1失点で投げ切るも1-1の引き分け。5戦目はまたも阪神戦6回2/3を2失点で終えるも援護なく敗戦。5試合を投げたところで0勝4敗 2.45という援護の無い期間が続いた。そして迎えた6戦目の広島カープ戦、ついに待望の瞬間が訪れる。2回に早々と3点の援護をもらった今永、ランナーは出すものの要所要所をしっかりと締め7回無失点、後続もばっちり相手を抑え、7回無失点の好投でプロ初勝利を挙げた。

プロ初勝利を挙げるまでの間、今永は様々なコメントを残している。
「負けた投手の名は残らない」「援護がないという言い訳は、防御率0点台の投手だけが言える」「相手投手も中継ぎも粘った、僕だけが粘れなかった」と敗戦の弁を語れば、初勝利時には「4敗は自分の力が及ばなかった、今日は広島ではなく過去の自分に勝った」と独特な言い回しで初勝利を喜んだ。私が彼を非常にクレバーだと感じたのはこの言い回しの部分にあった。野球だけしかしてこなかった人間も多いプロ野球界で、豊富な語彙や言い回しを使いながらも伝えたいことを率直に伝えられるこの姿を見て、並のルーキーと一味違うなと感じたのだ。

さらに今永が際立つのが打席での姿勢である。簡単にはアウトにならないという強い覚悟を持ってバッターボックスに向かっているのがわかる。4月14日の阪神戦、相手は防御率0点台を記録していた阪神岩貞。筒香のホームランで先制した2回の表、ロペス倉本の連打でさらなるチャンスメイクをするも、白崎、戸柱が返すことが出来ず2アウト1、2塁、ここで打席に立ったのが今永だった。なんとカットで粘り、8球目に四球をもぎ取り満塁のチャンスメイク。次のバッターの桑原がタイムリーを放ち、大きな2点追加となった。勝負はこの回に決したと言ってよいシーンだった。今永にこの粘りをもたらしたのは紛れもない極度の無援護によるものなのは言うまでもない。

現状今永は防御率リーグ3位につけており、非常に優秀なピッチングを続けていた。しかし勝ち星に恵まれなかったのは、打線の援護がなかったことはもちろんだが、寄りにもよってたった2人しかいない自分より上の防御率のピッチャーと悉く対戦してきたからでもある。菅野と1度、岩貞と2度対戦し1勝1敗1分け、お互いの援護率を下げまくってきたため、菅野岩貞今永は思うように勝ちが付いていないが、お互いハイレベルな争いになっているのが今シーズン見ものだ。

5月は上記の石田と同じく4戦4勝、26回を投げ自責点は2点と、こちらも非常に優秀な数字が並ぶ。ともすれば月間MVPも可能性があるかと思ったが、残念ながらイニングも自責点も石田が上回ったため、受賞は厳しい。しかしこの左腕コンビが横浜にもたらしたものは大きい。月間で8つの貯金をもたらし、4月最下位独走の様相を呈してきたチームを一気にペナントレースに引き戻したのだ。石田と今永はお互いが高め合っているという旨のコメントも多くあり将来的な活躍も期待したいところ。

左腕不毛の地と呼ばれた横浜に降り立った希望、今シーズン2人の大活躍を期待して、ひとまず纏めとさせていただく。

テーマ : プロ野球
ジャンル : スポーツ

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