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#75 「鈴鹿」が「SUZUKA」になる日「F1日本グランプリ決勝」

 世間が秋めいてくる10月、毎年この季節になると世界中のどこよりも熱くなる街がある。
三重県鈴鹿市、人口20万人に満たないこの町が、10月の二週目を迎えると、その人口は2倍以上膨れ上がる。いったいなぜかと言えば、年に一回この町には「F1」がやってくるのだ。日本が世界に誇る高難度コース鈴鹿サーキット、日本のモータースポーツの聖地とも呼ばれるこの地に、今年もF1サーカスはやってきた。

 今年は鈴鹿サーキットでのF1開催25周年ということもあり、主催者側も気合を入れての開催となったのだが、残念ながら来場者集は去年より約3万人少ない17万人という発表。原因を考えてみれば、昨年鈴鹿で3位入賞を果たした日本人ドライバー小林可夢偉がF1から遠ざかっていること、そして昨年と同じくほぼ選手権の結果がわかってしまっているというところに起因しているだろう。モナコの公道コースやベルギーGPが開かれるスパ・フランコルシャン、イギリスGPが開かれるシルバーストン、イタリアGPが開催される超高速サーキット・モンツァなどに並んでF1ファンから愛される鈴鹿だが、今年はどうやら苦戦の模様。そんな鈴鹿サーキットだが、ドライバーの力量が試されるコースとしてドライバー達からも愛されているコースとしても有名だ。

Circuit_Suzuka.png


特にスタートから1コーナーを曲がった先のS字カーブと。最終シケインに向かうまでの130Rのコーナーは「男を決めるコース」と呼ばれている。日本のF1ファンの一人として、現在F1選手権3連覇中のセバスチャン・ベッテルや今年引退を表明したマーク・ウェバーが鈴鹿をべた褒めしてくれるのを見ているとうれしくてたまらない。特にベッテルの鈴鹿愛はやや変態的と言っても差し支えないほどだろう。

そんな鈴鹿サーキットで行われた2013年日本グランプリの結果を振り返ってみたいと思う。

1 S.ベッテル レッドブル 1:26:49.301 53 2
2 M.ウェバー レッドブル +7.1 53 3
3 R.グロージャン ロータス +9.9 53 2
4 F.アロンソ フェラーリ +45.6 53 2
5 K.ライコネン ロータス +47.3 53 2
6 N.ヒュルケンベルグ ザウバー +51.6 53 2
7 E.グティエレス ザウバー +71.6 53 2
8 N.ロズベルグ メルセデスAMG +72.0 53 4
9 J.バトン マクラーレン +80.8 53 3
10 F.マッサ フェラーリ +89.2 53 3
11 P.ディ・レスタ フォース・インディア +98.5 53 2
12 J-E.ベルニュ トロロッソ +1 Lap 52 3
13 D.リカルド トロロッソ +1 Lap 52 3
14 A.スーティル フォース・インディア +1 Lap 52 2
15 S.ペレス マクラーレン +1 Lap 52 3
16 P.マルドナード ウィリアムズ +1 Lap 52 2
17 V.ボッタス ウィリアムズ +1 Lap 52 2
18 C.ピック ケータハム +1 Lap 52 3
19 M.チルトン マルシャ +1 Lap 52 2
20 L.ハミルトン メルセデスAMG +46 Laps 7 2
21 G.ヴァン・デル・ガルデ ケータハム
22 J.ビアンキ マルシャ
: http://www.topnews.jp/f1-japanrace-20131013#sthash.FbrytAPz.dpuf


結果はこの通り、見事セバスチャン・ベッテルが優勝を果たしたが、このレースはベッテル優位で進んだわけではなかった。予選一位はベッテルの同僚であるマーク・ウェバーが獲得、ベッテルは予選でマシントラブルにより2位につけた。つまるところレッドブル勢によるフロントローの独占、今大会もレッドブルの圧勝で終わってしまうレースなのかと誰もが思ったに違いない、だが今回のグランプリをもっとも盛り上げたのは、3位に入ったロメイン・グロージャンである。
 
予選4位につけていたグロージャンは、スタートでもたついたレッドブル勢をしり目に、スタートで一気に一位に躍り出る。ここからグロージャンは安定した走りを繰り広げ、53周中40周後半まで一位をキープしていた。ここで恐ろしいのがレッドブル、ベッテルとウェバーはそれぞれ別の作戦を立てながらタイヤを温存し、グロージャンのタイヤが弱りだした後半、それぞれ温存していた新品のタイヤで猛追し一気にグロージャンをオーバーテイク、見事1,2フィニッシュを決めた。

このレッドブルの戦いっぷりにはある種の戦慄を覚えた。今のレッドブルはたとえ一位でレースをスタートしなくとも、十二分に逆転できるだけの力があるということ、しかもベッテルは2ストップ作戦を行い、タイヤの交換タイミングを遅らせ、かなりタイヤを酷使する走りをしながらもグロージャンとのタイム差を極力抑えた走りを見せた。ウェバーは3ストップ作戦でとにかくスピードを重視した走りを見せ、ベッテルにオーバーテイクされ意気消沈のグロージャンをあっさり抜き去る。この別々の作戦を使いながらもグロージャンを抜いて見せたのだ。普通2つの作戦を用いれば大抵どちらかは割を食う展開が多い。だが今回に関しては両者ともに見事に成功させて見せたというところに今のレッドブルの強さがうかがえた。

そんなレッドブル勢の強烈なレースの裏では、またもや好成績を残したドライバーがいた。ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグである。前回の韓国GP では見事な走りで自己最高の4位に入賞を果たしたヒュルケンベルグだが、今回の鈴鹿でも見事な走りを見せた。予選3位のルイスハミルトンと熾烈な4位争いを演じ、一時は4位をキープ。レース終盤にアロンソとライコネンに抜かれるも、中堅チームのマシンながら才能を感じさせる見事な走りで4位以降の争いの見どころを作り上げてくれた。同じく7位につけた同僚のグティエレスは今シーズン初ポイントを獲得、これは自身初入賞ということで、グティエレスの今後の活躍にも期待したい。

注目度は例年ほどではなかった鈴鹿であったが、中盤でのライコネンのオーバーテイクショーやグロージャンとベッテルのバトルなど、見どころがたくさんの日本GPだった。末永く鈴鹿でF1が行われることを祈りながら、今回の締めとさせていただこう。
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